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麹の「寒い寒い」

クラッシャーが故障した為、蒸米をほぐす力が弱い⇒蒸米を放冷機に送る量を減らし、ゆっくりと送らなければならない。⇒蒸したての米に麹菌をつけて、室に入るまでに時間がかかる。⇒円盤(自動で麹を作る機械)に入る時点で、麹の温度が下がってしまう。

という負のスパイラルになる。仕込み担当のS曰く、「麹は我が子のようなものだ。生きているので、寒い寒いと言っているんや。子どもも寒いと言ったら我慢せい!ではあかん。」それで、円盤で床暖をしてあたためて麹をはぜこませる。

私が子供の頃は、前にも書いたが冬は寒かった。私が「寒い寒い」と言うと、父に「寒い寒いとゆうても、のくとならんのじゃ(あたたかくならない)!さむねえように(寒くないように)きよ(着なさい)!」と𠮟られたものだ。 大正生まれの父は、厳しかった。父は、「寒い寒いと言っていないで、自分で考えろ。」と言いたかったのだろう。

麹は、自分であたたかくできない。麹の「寒い寒い」の声に耳をすませなければ、いい子(麹)に育たない。

(続く)

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