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金もうけ

マルカワ農園の除草作業を見ていると、これは除草剤まくと楽やもんなあ、なんて考えてしまうのが人間の業だ。

30年前、社長が立ち上げた(有)瑞穂は、社長の高い志から始まった。『食べ物は命の源、農は生命産業。日本の農業を支えるのは日本人』。理論より実践とスタートの鼻息は荒かったが、現実はそうたやすいものではなかった。

無農薬の米と大豆を苦労して作り、無農薬の味噌を作っても全くと言っていいほど売れなかった。その苦しんでいる息子(社長)の姿を、父が「なあ、宏、やめとけや。」その言葉を受けて「父ちゃん、これは金もうけでねえんや。」と社長。

瑞穂は8年間程どうにかこうにか続けたものの、結局廃業した。二足のわらじを履くのは無理だった。社長は燃え尽き症候群のようになり「心が辛い」と口にするようになった。精神科で診察を受けると、うつと言われていただろう。この症状は十数年続く。瑞穂の後、残ったのは借金と挫折感だった。

(続く)

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