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家の重石

昨年から枯れかかり、今年は芽が出なかった本宅裏庭のケヤキの樹を木材屋さんに切っていただいた。午前中の間に手際よく切ってしまった。「家には老人、庭には大木」と義父から聞いた。

以前、弊社の仕込みの現場の機械を入れ替えることがあった。搬入口から古い機械を出す時、ながめていた義母が「長い間あの機械が仕事をしておっけた(くれた)おかげや。使えんようになると用無しや。かわいそうに。」と言うような意味のことを感慨深げに機械に向かってつぶやき、手を合わせていた。その時若かった私は、機械は物で、人でないのにと思ったのを今でも覚えている。

樹も人ではない。でも、家の重石として存在感を放ってくれた。「長い間ありがとうございました。」と、頭を下げた。今では重石役の私、重さは申し分ないが存在感がこのケヤキほどあるだろうか。味噌の仕込みにも、重しは大切な役割を果たす。

庭に目をやっても、もぬけの殻でへんもない(寂しい)。

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